State of nature

/ˈsteɪt əv ˈneɪtʃər/ ステイト オブ ネイチャー

1. 国家や社会が成立する以前の、人間が本来持っていたとされる自然な状態。政治哲学における、政府や法律が存在しない仮想的な状況。

政治哲学において、政府や法、社会契約が存在しない仮想的な状態を指します。この概念は、国家の起源や正当性を議論する際に、様々な哲学者によって異なる解釈がなされます。例えば、ホッブズは「万人の万人に対する闘争」の状態と見なし、ロックは自然権が守られる状態と、ルソーは自由と平等の状態と捉えました。

Hobbes's theory describes human life in the state of nature as 'solitary, poor, nasty, brutish, and short'. (ホッブズの理論は、自然状態における人間の生を「孤独で、貧しく、不愉快で、野蛮で、短い」ものと描写しています。)

• Hobbes's theory: イギリスの哲学者トマス・ホッブズの思想や学説を指します。
• describes: ～を説明する、～を描写する。
• human life: 人間の生活、人生。
• in the state of nature: 自然状態において。政府や社会がない、人間本来の状態を意味します。
• as 'solitary, poor, nasty, brutish, and short': 「孤独で、貧しく、不愉快で、野蛮で、短い」ものとして。ホッブズが著書『リヴァイアサン』で述べた、自然状態における人間の悲惨な状況を表す有名な表現です。

Locke believed that people in the state of nature possessed natural rights to life, liberty, and property. (ロックは、自然状態の人間は生命、自由、財産に対する自然権を持っていると信じていました。)

• Locke believed: イギリスの哲学者ジョン・ロックは信じていた。
• that: ～ということ。従属節を導く接続詞です。
• people: 人々。
• in the state of nature: 自然状態において。国家や政府が存在しない仮想的な状態を指します。
• possessed: ～を所有していた、持っていた。
• natural rights: 自然権。人間が生まれながらにして持つとされる、奪うことのできない権利です。
• to life, liberty, and property: 生命、自由、そして財産に対する。ロックが主張した主要な自然権の3つです。

Rousseau's view of the state of nature differed from Hobbes, seeing it as a state of freedom and equality. (ルソーの自然状態の見解はホッブズとは異なり、それを自由と平等の状態と見ていました。)

• Rousseau's view: フランスの哲学者ジャン＝ジャック・ルソーの見解、考え方。
• of the state of nature: 自然状態についての。
• differed from Hobbes: ホッブズの考え方とは異なっていた。
• seeing it: それ（自然状態）を見ていた。分詞構文で「～と見なして」という意味です。
• as a state of freedom and equality: 自由と平等の状態として。ルソーは自然状態を、人間が本来持っていた純粋な状態であり、自由で平等であると捉えました。

関連

• natural rights
• social contract
• Hobbes
• Locke
• Rousseau
• political philosophy
• anarchy
• civilization
• primitive condition
• human nature