strcpy_s

[ˈstrɪŋkɒpiˌɛs] ストリングコピーエス

1. バッファオーバーフローを防ぐために、指定されたサイズのバッファに文字列を安全にコピーするC/C++関数。

`strcpy_s`は、標準の`strcpy`関数が持つバッファオーバーフローの脆弱性に対処するために、Microsoft Visual C++が導入したセキュリティ強化版の関数です。コピー先のバッファサイズを指定することで、バッファを超えた書き込みを防ぎ、プログラムの安定性とセキュリティを向上させます。

char destination[50]; strcpy_s(destination, sizeof(destination), "Hello, World!"); (`char destination[50];`に`"Hello, World!"`を安全にコピーします。)

• char destination[50];: 50文字分の記憶領域を持つ文字配列`destination`を宣言します。
• strcpy_s: 安全に文字列をコピーする関数です。
• (destination, sizeof(destination), "Hello, World!");: `destination`に、その最大サイズ(`sizeof(destination)`)を超えないように`"Hello, World!"`という文字列をコピーするための引数群です。

char buffer[10]; errno_t err = strcpy_s(buffer, sizeof(buffer), "This is too long."); if (err != 0) { printf("Error copying string.\n"); } (`char buffer[10];`に長すぎる文字列をコピーしようとし、エラーが発生した場合にメッセージを表示します。)

• char buffer[10];: 10文字分の記憶領域を持つ文字配列`buffer`を宣言します。
• errno_t err = strcpy_s(buffer, sizeof(buffer), "This is too long.");: `buffer`に長すぎる文字列をコピーしようと試み、その成否を表すエラーコードを`err`変数に代入します。
• if (err != 0): `err`の値が0ではない、つまりコピー操作が失敗した場合に実行される条件分岐です。
• printf("Error copying string.\n");: 文字列のコピーが失敗したことを示すエラーメッセージを画面に出力します。

char input[100]; printf("Enter your name: "); scanf_s("%99s", input, sizeof(input)); char nameBuffer[100]; strcpy_s(nameBuffer, sizeof(nameBuffer), input); (ユーザーからの入力を受け取り、それを`nameBuffer`に安全にコピーします。)

• char input[100];: 100文字分の記憶領域を持つ文字配列`input`を宣言します。
• printf("Enter your name: ");: ユーザーに対し「Enter your name: 」というメッセージを表示し、入力を促します。
• scanf_s("%99s", input, sizeof(input));: ユーザーからの文字列入力を`input`変数に、最大99文字（終端NULL文字を含む100文字）まで安全に読み込みます。
• char nameBuffer[100];: 100文字分の記憶領域を持つ文字配列`nameBuffer`を宣言します。
• strcpy_s(nameBuffer, sizeof(nameBuffer), input);: `input`に格納されている文字列を`nameBuffer`に、その最大サイズ(`sizeof(nameBuffer)`)を超えないように安全にコピーします。

関連

• strcpy
• strncpy
• strcat_s
• memcpy_s
• Buffer overflow
• Safe CRT
• C/C++