memcpy_s

/mɛmˈkɒpi ɛs/ メムコピーエス

1. メモリ領域を安全にコピーする関数。

C言語およびC++言語において、指定されたバイト数のデータをあるメモリ領域から別のメモリ領域へコピーする関数です。'_s'サフィックスは、バッファオーバーフローなどの脆弱性を防ぐための追加の安全性チェック（境界チェックなど）が含まれていることを示します。通常の`memcpy`よりも推奨されることが多いですが、C標準ライブラリの一部ではなく、Microsoft Visual C++などで提供されるSecure CRTライブラリの一部です。

errno_t err = memcpy_s(dest, sizeof(dest), src, count); (destにsrcのデータをcount分安全にコピーします。)

• errno_t err: エラーコードを格納するための変数を宣言しています。
• =: 右辺の値を左辺の変数に代入します。
• memcpy_s: 安全なメモリコピー関数です。
• (: 関数の引数リストの開始です。
• dest: コピー先のメモリ領域を指します。
• ,: 引数リストの区切りです。
• sizeof(dest): コピー先のバッファのサイズをバイト単位で指定します。これはmemcpy_sがバッファオーバーフローを防ぐために使用する境界情報です。
• ,: 引数リストの区切りです。
• src: コピー元のメモリ領域を指します。
• ,: 引数リストの区切りです。
• count: コピーするバイト数を指定します。
• ): 関数の引数リストの終了です。

if (memcpy_s(destination, DEST_BUFFER_SIZE, source, SOURCE_DATA_SIZE) != 0) { /* handle error */ } (もしmemcpy_sが失敗したらエラーを処理します。)

• if: 条件分岐の開始です。
• (: 条件式の開始です。
• memcpy_s: 安全なメモリコピー関数を呼び出しています。
• (: 関数の引数リストの開始です。
• destination: コピー先のバッファを指します。
• ,: 引数リストの区切りです。
• DEST_BUFFER_SIZE: コピー先のバッファの合計サイズを定義するマクロです。
• ,: 引数リストの区切りです。
• source: コピー元のデータを指します。
• ,: 引数リストの区切りです。
• SOURCE_DATA_SIZE: コピー元のデータのバイト数を定義するマクロです。
• ): 関数の引数リストの終了です。
• != 0: 関数の戻り値が0ではないか（つまりエラーが発生したか）をチェックしています。
• ): 条件式の終了です。
• {: if文のブロックの開始です。
• /* handle error */: エラーが発生した場合に実行される処理のプレースホルダーです。
• }: if文のブロックの終了です。

memcpy_s(buffer, BUFFER_SIZE, input_data, min(input_len, BUFFER_SIZE)); (入力データをバッファに安全にコピーします。バッファサイズを超えないようにします。)

• memcpy_s: 安全なメモリコピー関数です。
• (: 関数の引数リストの開始です。
• buffer: コピー先のバッファを指します。
• ,: 引数リストの区切りです。
• BUFFER_SIZE: コピー先のバッファの合計サイズです。
• ,: 引数リストの区切りです。
• input_data: コピー元のデータです。
• ,: 引数リストの区切りです。
• min(input_len, BUFFER_SIZE): コピーする実際のバイト数を指定します。入力データの長さとバッファサイズのうち小さい方を選択し、バッファオーバーフローを防ぎます。
• ): 関数の引数リストの終了です。

関連

• memcpy
• memmove_s
• strcpy_s
• memset
• secure_crt
• buffer_overflow
• memory_copy